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ベートーヴェン ピアノソナタ第31番 1楽章

naoさんは、そんなにクラシックは詳しい方ではないですが

結構好きなんです。

(ちなみに中学生の頃は吹奏楽部でした♪)

オーケストラも好きですが、一番好きなのはピアノ。

ピアノの音にいつも癒されるんですよね。

今日は、ちょっと思い出に浸ってみようと思います。

このYouTubeの曲は、表題のベートーヴェンピアノソナタ第31番 1楽章です。

7分程度の曲です。

この曲は私にとって、とても大切な曲。

今から10年ほど前のこと。

あるがんの末期の方の訪問看護に行っていました。

年齢は70を超えておられ、とても魅力的でステキな女性でした。

その方の職業は、ピアニスト。

家に防音室があり、その中にグランドピアノがありました。

身体はがんに侵され、自分で動くこともままならない状態。

私はそんな彼女の日常の些細なお手伝いをさせて頂いていました。

ある日のこと。

『昨日ね、調子が良くてね。ピアノを弾いて録音したのよ。これ、あなたにあげるわ。』

と穏やかな表情でCD-Rを渡してくださいました。

CD-Rの表面には

『Beethoven Piano Sonate N0.31 1楽章 Op110』

という文字と、録音した日付そしてご自身のサインが直筆で書かれていました。

そんなものを頂けたことに何だかとても感動して、思わず言葉を失いました。

そして、家に帰って早速聴いてみました。

その音は、軽やかでなおかつ力強くそれでいて優しい。

希望にあふれるそのメロディは、私の心に穏やかさと力を与えてくれました。

この思いを次に会った時なんて伝えようっ!とワクワクしていました。

しかし、その日はやって来ませんでした。

『あぁ、これがお別れの挨拶だったんだ。』と気づきました。

私は、彼女とは、数回しか会ったことがありませんでした。

なので、すぐに顔が思い出せなくなってしまいました。

でも、彼女の空気は今でも思い出せるんです。

ショートカットヘアで穏やかな口調と笑顔の温かな空気が。

そして、時々彼女のピアノをリピートで聴き続けては、思い出して温かくなるんです。

どんなに上手な人が弾くピアノソナタ31番を聴いても

彼女の音にはかなわないんです。

本当に素晴らしいピアノ。

私のたからもののひとつ♡

Thank you...

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